今や、「まぼろしのドラマ」になってしまった 『昨日、悲別で』
日本テレビ系列金曜劇場で1984年(昭和59年)3月9日(金)から放送された、脚本:倉本聰のドラマ、
夢を追いかけて東京に出た若者と、故郷に残って地元で働く若者の心の交流を描いた『昨日、悲別で』
物語の舞台は、東京、北海道・悲別町(上砂川町がモデルの架空の町)
「22才の別れ」を聞くと、今でもこのドラマを思い出す人は多いだろう。
キャスト
中込竜一 | 愛称:リュウ 夢を追いかけ悲別高校卒業後すぐに東京に出る 同僚(友人)の事故で務め先「TapTips」での大役を得るが、苦しみ悩む 東京で再開したおっぱい(ゆかり)に次第に惹かれていく | 天宮良 (主演デビュー作) |
小沼ゆかり | 愛称:おっぱい 父親が炭鉱で事故死に、グレて家出をし悲別を去る、 後に東京でリュウと再開する。 ゆかり=しむらみさ 政界を巻き込む大スキャンダルに巻き込まれる | 石田えり |
坂口由美 | リュウのガールフレンド リュウと一緒に受けたオーディションで合格する、以来リュウとの間に亀裂が入る 世界的有名ダンサー「デビット・ブライトン」に認められニューヨークに誘われる | 村田香織 |
佐々木和美 | 愛称:駅長 リュウの同級生だが2年落第しているので実は2つ上、 リュウの母親の助言を真に受け、すぐ後に結婚相手の鼻くそをほじる姿を見る、 このままでいいのか!キョンキョン(アイドル:小泉今日子) に出会う可能性もあるのにと、結婚式二日前に逃げ出す | 布施博 |
二口伸夫 | 愛称:与作 学生のころおっぱい(ゆかり)に恋心を抱いていたが、おもいっきり振られる セリカXXのツードアを買い紫に塗り土禁にすることが夢 | 梨本謙次郎 |
中込春子 | 昼間は炭鉱で働き、夜は悲別泣きべそ通りで赤ちょうちん「春ちゃん」を経営 リュウの母であり、末吉(大人物)の愛人 | 五月みどり |
末吉元吉 | 地元では「大人物」と呼ばれている 味噌汁にかける情熱は人一倍強い、豆から作る味噌が自慢 リュウの死んだ父親の親友であり、今はリュウの母親と付き合っている | 大滝秀治 |
中込夕子 | リュウが帰郷する第三話放送から登場、地元スーパーに勤めるリュウの妹 後に「東京に出る」と書き置きを残し家出する | 斉藤慶子 |
二口伸吉 | 与作の父・悲別ロマン座を経営していた、 後に1年で会社を3つも倒産させ借金を膨らませる、 リュウが帰郷した時はブラブラしていた リュウとゆかりをロマン座卒業生として心から応援していた | 千秋実 |
内山良子 | うちやま食堂の良子ちゃん、駅長の結婚相手 駅長が結婚式当日の朝まで逃げ出していたことは知らない | 風見りつ子 |
マーサ | TapTips赤坂の代表 店の従業員にとても優しい 在籍中に外部のオーディションを受けることを禁止している 税金に日々悩んでいる | マーサ |
マンディ | TapTips赤坂(悲別出身) リュウの10ほど上で顔が長い | マンディ |
魚津章子 | リュウと夕子が通う魚津ダンングススクールを経営 魚津章子の指導のもと二人はダンスを習う | 室町あかね |
マツイ | 第一話放送の「ダンシングジャパン」オーディションで「リュウ」と会う | 松村雄基 |
リリー松原 | リュウが悲別ロマン座でタップダンスを披露する際に、 友情出演として出演したストリッパー、 開演前に楽屋でのリュウとの会話は第4話の重要なシーンとなる | 芹 明香 |
田村 | 学生時代のリュウ、駅長、与作の同級生、リュウの母親の悪口を言い駅長に殴られる | 林家こぶ平 |
向井先生 | 第5話、悲別ロマン座で公演を終えたリュウの楽屋に会いに行く、 「俺は感動した」とリュウに伝える。 1977年、日本テレビ系『太陽にほえろ!』の 5代目新人刑事・岩城創(ロッキー刑事)役でデビュー、 5年2か月間出演する当たり役となった。 | 木之元 亮 |
小坂敬介 | 高校3年の夏休みの教室にて、クラスでもナンパで有名な小坂敬介は 「キスのキッカケはどうつけるか」という夏期特別講習を開き同級生に指導した | 豊原功補 |
唐沢広次 | 通称:ダザイ 高3の春まで悲別高校にいた1番のエリート リュウの妹夕子と最近まで文通していたことが夕子の家出後母親が手紙を見つけ発覚 早稲田大学に入り「マスコミ研究会」に入る 夕子の家出後リュウはダザイに会いにいく 喫茶店でのリュウとの会話は忘れられない方も多いのでは | 四禮正明 |
物語はリュウの心のセリフから始まる
去年の春まで悲別にいたんだ
北海道の砂川って町から南に入った炭鉱町でね
昔は良かったけど今はもう駄目さ
炭鉱はつぶれる寸前だし 国鉄だってひどい赤字で
もうじきなくなるっていう噂がある
悲別ってのは元アイヌ語でね ケナシ別から
来たって説とカナウシ別から来たって説と
どっちでもいいやそんなこと
そこの高校を出て東京に来たんだ
今この店で働いてる 働きながらタップを習ってる
ご機嫌だよ東京は ほんと最高
駅長や与作を呼んでやりたいね
あいつら一生あっちでやっていく気だ
思っただけでも落ち込んでくるぜ
あっちのことは忘れたいんだ 山も炭住も雪も川も
それと それからお袋のことも
でもそのお袋がさ 手紙をよこすんだ
見ったくない字でさ しまんない手紙を
ほんとにしまんなくって 涙が出てくる
昨日、悲別で キツネがひかれた
昨日、悲別で 女の子が生まれた
昨日、悲別で 飲み屋がつぶれた
昨日、悲別で 昨日、悲別で・・・
悲別 ロマン座
悲別 ロマン座を語るのに、このドラマ抜きではありえない。
なにせ、生みの親なのだから。
このドラマは、一度再放送されたが、その後再放送、ビデオ・DVD化などなく
私たちの記憶からも、どんどん消え去ろうとしています。
みなさんの協力を得て、なんとかこの「ロマン座」で上映出来ないか、
なんとか再放送されないかと、日々、考えています。
ふたたび全国の皆さんに見ていただいて、歌志内やロマン座に、たくさんの人が訪れてもらえたら、どんなにすてきだろうと夢のように思います。